782496 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

うさぎの不養生日記

うさぎの不養生日記

大腸内視鏡検査(いわゆる大腸カメラ)

大腸内視鏡と聞くと、『うっ!』と思われる方も多いと思います。実際に、『うっ!』という思いを、患者さんに味あわせたことがありますので、多分、間違いなく。

大腸内視鏡検査は文字通り、内視鏡を大腸の中にいれて、大腸の中を観察する検査です。大きくは二つに分かれます。浣腸をしたりして肛門付近の便を出していただき、肛門に近い部分の大腸を観察するものと、下剤などで全部の大腸をきれいにして全部の大腸を観察するものとです。

肛門から出血するなどの人に、突然する検査では、前者を行います。検診でも、浣腸したあとで見える範囲を観察するのが多いようです。ただ、最近は、検診でも、全部の大腸を検査する企業もあるようです。あと、いわゆる大腸がん検診で引っかかった人も、全部の大腸を検査する全大腸内視鏡検査を受けることになります。以前は、バリウムをお尻から入れる検査もされていましたが、ポリープが見つかった時などにバリウムの検査では細胞の検査などの詳しい検査ができないため、内視鏡を使うことが多くなりました。(バリウムの方が有効な時もあるんですよ、念のため)

全大腸内視鏡検査について述べさせていただきますが、胃内視鏡検査と同様に本当はめちゃくちゃひどい検査というわけではありません。ただし、大腸の中に内視鏡が入り、空気を入れ、そして普段とは逆に進んでいくわけですから、違和感のある検査だとは思います。そして、もうひとつ。大腸は、本当は体外で広げると長いものです。それが蛇腹のようにたわんでたたまれて存在しているのが普通です。それを無視してどんどん内視鏡を入れていけば、大腸は伸びようとします。すると大腸を固定している膜が引っ張られて、痛みを生じます。大腸は痛みを生じません。大腸を固定している膜が引きつれたりして痛みを生じるのです。大腸に痛みがあるならば、大腸の病気も早期発見できていいのですが。実際には、大腸の中身の流れが悪くなったりして、痛みが生じたり、出血して貧血になったりして、発見されることが多いです。

残念なことに、大腸の病気は良性の病気も悪性の病気も、近年増加傾向にあります。大腸がん検診は、便の一部分を採取して提出する検査なので、抵抗があるのも分かります。でも、遅くとも40歳になったら年に一回は受けられたらいいのでは?と思っています。本当は30歳からでもいいと思いますが。

お勤めしている人は、会社の検診で、是非、便潜血の検査(便にこっそり血が混じっていないかのチェック、これが大腸がん検診です)を受けてください。

大腸内視鏡検査ですが、大腸の病気の増加に伴い、検査を受ける人も激増して来ています。大腸内視鏡を行う機会も多くなってきており、以前よりも大腸内視鏡の機械そのもの、下剤(下剤の良し悪しも大腸内視鏡検査の良し悪しに影響するのです)、検査医の技術も、変わりつつあります。以前に受けてひどかった、という方や、そういう意見を聞いたので怖いと言う方もたくさんおいでると思います。でも、時代はどんどん変わっていますので、是非、受ける必要があるときは思い切って検査を受けてください。

あと、やはり、実際に検査を受けた人を探して、どの病院でどの先生がよかったかとか、どの病院の検査での雰囲気がよかったかなどはリサーチしてもいいと思いますよ。戦々恐々として病院に向かうより、安心してここならば、と行かれたほうがいいと思います。なぜならば、痛みには閾値があり、戦々恐々として痛みを受けると、より小さな痛みで強い痛みが脳に伝わるからです。逆にリラックスした状態では逆のことが起こります。同じ痛みでも、違うんです。
(これは、われわれの教科書などにも書いてありますよ)


© Rakuten Group, Inc.